現在、ニーダーバイエルン行政管区に拠点を置き、サトウキビ収穫機および清掃機の販売以外にも進出しているROPA社が、 数年前から注目してきたのがジャガイモ市場です。
ROPA社は、2畦牽引式ポテトハーベスタ Keiler (wild boar) II の開発では、企業理念に忠実に新境地を切り開きました。
ROPA社のポテトハーベスタは、他の収穫機と比べて自動化の度合が非常に高く、 自動機軸移動やうねに対する自動圧力制御などの油圧シリンダーオプションに加え、電動シリンダーシステムがローラー、選別機やコンベヤベルトなどの調節を行います。 7本のLINAK 電動シリンダーシステムが収穫機の正確な動作を実現します。
ROPA社のエンジニアによりゼロから設計されたこの収穫機は、 収穫プロセスの最適化を目的に数多くの調節機能を導入しており、他に類を見ないと言えるでしょう。 PTO(パワーテイクオフ)の回転速度に関係なく、多くの要素は油圧によって調節されています。 正確な位置制御が不可欠な用途においては、油圧シリンダーの代わりに電動シリンダーが使用されています。
「ローラーや土砂分離などのクリーニング作業の可動部の調節など、肥料量を微調整する必要がある箇所で、当社は電動シリンダーを使用しました」と説明してくれたのは、ポテトハーベスタ部門を率いる経験豊かなRupert Geischeder氏です。
この収穫機において、ROPA社はLINAKの 電動シリンダー LA36のみを使用しています。 電動シリンダー LA36はそのパワー、頑丈さ、制御オプションの多様さが特徴です。 精度の高い位置制御がなされているのがコンベヤベルト(ピントルベルト)です。 ピントルベルトは収穫したジャガイモから土砂を分離させます。 ピントルベルトを電動で正確に位置制御することにより、作業員はタッチパネルを使って快適に収穫作業を行うことができます。
ピントルベルトだけではなく他のクリーニング作業の可動部も電動で調節されています。 手軽なポジショニングの可能性はほぼ無限にあるため、ジャガイモの茎葉を除去するのに必要な抵抗パドルを調節し、茎葉が多くても作物の損失分を最小限に抑えます。
電動シリンダーは土や埃、水、変わりやすい天候などの厳しい環境に耐えて、適切に作動しなければなりません。 収穫機のダウンタイムは農業従事者にとって著しい金銭的損失と直結します。
「LINAKの電動シリンダーが各種電動シリンダーの頑丈さの基準となっています」とRupert Geischeder氏は言います。
実際、このデンマークのメーカーは過酷な環境で使用されることを念頭に、頑丈さを特に重視して電動シリンダー LA36を開発しました。 このLA36は保護等級IP66(動的)、保護等級IP69K(静的)です。
「農業市場で使用されている多くの農業機械で既にこの電動シリンダーが採用されており、その性能の高さが実証されています」と語るのはドイツ、バイエルンのLINAK事務所の営業部長であるGünther Rapplです。
電動シリンダ- LA36以外でも、LINAKの様々な電動シリンダーが高い保護等級要件を満たしています。 ROPA社のポテトハーベスタでさらに優れた特徴は、電動シリンダーの制御です。 油圧シリンダーを電動シリンダーに置き換えるのはとても簡単です。 コンピューターの出力ポートも同様です。
「この機械が満たすべき一定要件は、LINAKと一緒に取り組むことで満たされました」と話すのは、Rupert Geischeder氏。
キーワードは「ピン制御」です。 機械の複雑さにより、コントロールボックスの出力ポートのほとんどが既に使用されていました。 そのため、1本のケーブルで電動シリンダーの伸び縮みを制御できなければなりませんでした。
「私たちは1本のケーブルで制御できるようにカスタムメイドのソフトウェアを開発しました」とGünther Rapplは説明します。「これにより油圧シリンダーと同様に、電動シリンダーを制御できるようになりました」
電動シリンダーで油圧システムを置き換える
電動シリンダーが優れているのはその頑丈さと制御をカスタマイズできる点だけではありません。 たとえば、重量はますます重要視されるようになってきました。 このような大型機械に動作システムを搭載する際、電動ソリューションは油圧システムよりも軽くなるので大きな利点となります。 電動シリンダーはメンテナンス不要という点でも高い評価を得ています。 ROPA社は電動シリンダーが優れているだけではなく、LINAKのプロダクトデベロッパーと密に協力し合えたことも大きなプラスであったと言います。
「LINAKの電動シリンダーの採用を決めた理由は、製品の頑丈さと農業機械での実績という点で全面的に信頼を置いていたためです」と彼は言います。