デンマークは芝などの植物の種子の世界有数の生産国です。 しかし、他の多くの農業従事者同様、種子生産者は収穫期に商品の品質に悪影響を及ぼす雑草に頭を抱えてきました。 効果的な除草は欠かせない一方で、できる限り環境に優しく、使いやすい方法でなければなりません。 そんなデンマークの種子生産者の悩みを解決するために開発されたのが、Møller Andersen Apの除草機「MA Weed Wiper」です。
スマートな機械
MA Weed Wiperはその名が示す通り、除草剤を付着させて雑草を除去します。 この除草機は3部構成となっており、すべてのセクションに除草剤を装着したローラーが設置されています。 各セクションのローラーを並行で上げ下げするのに選ばれたのが、2本のLINAK® 電動シリンダー LA33です。 種子生産者がトラクターにこの除草機を取り付けると、雑草の高さに合わせて運転席からローラーの高さを調節できます。 多くの場合、雑草は芝より2~3cm程度しか高くならないため、より細かな調節ができることが何よりも重要となります。 Lars Møller Andersen氏は電動シリンダーを導入した利点を次のように語ります。
「油圧システムには構造的な問題があるため、 機械の精度を保つことができませんでした。 この作業ではローラーを並行して上げ下げできなければなりませんが、LINAK 電動シリンダーと連結されたステアリング制御で実現しています。」
最小限の除草剤
除草剤の使用を最小限に抑えることはすべての人の関心事ですが、この点、MA Weed Wiperは業界随一のソリューションと言えます。 Lars Møller Andersen氏はこの点についても説明します。
「除草機という名の通り、MA Weed Wiperは必要なもののみを除去します。 滴らない程度の適量の除草剤を効果的に植物に付着させることで、 広範な噴霧機よりも除草剤の使用量を大幅に減らすことができます。」
LINAKとのパートナーシップ
今でこそLars Møller Andersen氏は、種子生産者をメインターゲットとしていますが、当初からそうだったわけではありません。 老舗機械メーカーの4代目として、その業界で25年も従事した後、会社を売却し、 余生をのんびりと過ごすつもりでした。ところが、新しいアイディアが次から次へと湧いてきたのです。
「根っからの仕事好き、それが私なんです。 機械メーカーの家に生まれ、その環境で育ってきた私が情熱を燃やすのは結局、機械なんです。」とMøller Andersen氏は言います。
そこで脇に追いやっていたMA Weed Wiperのアイデアを今一度検討し直すと、改良できる点がいくつも見つかりました。
「原型となる第1号をさらに開発すると、残ったのは当初のコンセプトだけでした。 最も大きな改良点は、ローラーの高さを調節するためにLINAK 電動シリンダーを導入したことでした。 これが大きな違いをもたらしました。 毎回手作業で高さを調節していたら、作業を終わらせることなどできません。」とMøller Andersen氏。
Møller Andersen氏がLINAKを選んだのにはいくつかの理由があります。
「第一に、LINAKは前にも使ったことがあり、どのような企業であるかを知っていました。LINAKはデンマークの品質をしっかりと守っている会社です。 また、除草剤を使用する厳しい環境でも耐えられる高品質ソリューションが必要でした。 そして、高さ調節をしたいという明確な目標があったので、最初から適切なガイダンスとアドバイスが得られることが重要でした。 そのため、直接会って、一緒に適切なソリューションを見つける手伝いをしてくれる担当者がデンマークにいる会社を選びたいという希望もありました。」
大きな可能性
Lars Møller Andersen氏はLINAKとのパートナーシップにより誕生した製品に満足してると言います。
「MA Weed Wiperのようにローラーを採用するというコンセプトはヨーロッパではかなり珍しいものです。 現在のバージョンはどちらかというとニッチな製品で、デンマークの種子生産市場をほとんどカバーしています。 しかし、少し改良を加えれば、それ以外の農業従事者にも販売できるようになるでしょう。 製品開発は既に進んでおり、今後の展望に胸が膨らみます。」とMøller Andersen氏はうれしそうに話してくれました。
除草機「MA Weed Wiper」に関する詳細は、Møller Andersen ApSのウェブサイトをご覧ください。