ドイツ・プフレンドルフを本拠地とするESCAD Groupの子会社Smart Robotics社が提供している製品ラインナップには、イントラロジスティックス向けソリューションや軽量ロボットシステムなどがあります。 同社のソリューションはMobile Industrial Robots社の製品をベースとし、搬送ロボット「MiR」の標準コンポーネントとカスタムコンポーネントを開発しています。 たとえば、製造現場で使用される“標準的な高さ”などは存在しないため、モノの運搬・搬送ロボットはさまざまな高さに対応できなければなりません。 搬送ロボット「logiCON|Lift」では、LINAK®の電動昇降装置を組み込むことにより、これを達成しました。
製造現場で異なるのは、 モノを積むときの高さや所定の場所に置くときの高さだけではありません。 製造全工程 と 搬送ロボットに求められるタスク も異なります。 Smart Robotics社はお客様のあらゆるニーズを満たすため、カスタマイズしたシステムを提供しています。
「当社のlogiCON|Liftで難しいのはその設計に理由があります。 取付寸法を短く保ちながら、かなり高い場所まで持ち上げ(昇降)が必要になるからです。 電動昇降装置も極めて安定的ではなければなりません」と語るのは搬送ロボット「logiCON|Lift」を設計したDaniel Moritz氏です。
LINAKの電動昇降装置 LC3により可能になった側面配線がとても役に立ちました。 用途により、このロボットは作業中に埃や散水にさらされます。 保護等級IPX4のLC3を使えばこの問題をクリアできます。 希望に応じてIPX6を選択することも可能です。
Smart Robotics社のエンジニアは市販されている数多くの電動昇降装置を検討し、最終的にLINAK LC3に決めました。
チームは最適な電動昇降装置を決めるに当たり、いくつかの候補を実際に試してみたと言います。 2018年に発売されたLINAKの電動昇降装置 LC3は次の3バージョンからお選びいただけます: 4,000N、5,000N、6,000N(PUSH 推力) 標準バージョンの取付寸法は小さく、わずか320mmです。(ストローク長400mmの場合) この電動昇降装置は、幅広い機械に道を開きました。
「当初は、家具で使用されているのと同様のもので高さ調節を行おうと考えていましたが、 それでは求めていることが実現できないとわかりました」とSmart Robotics社のプロジェクトマネージャーであるHendrick Pierburg氏は教えてくれました。
電動昇降装置 LC3に決定する決め手となったのは安定性とコンパクトな取付寸法でした。 搬送ロボットは極めて正確にモノを取り扱い、配置できなければなりません。また、必ずしも完璧とは言えない作業環境で日常的に使用できるよう安定したデザインであることも欠かせません。
「電動昇降装置がガタつくようでは、ほとんどの環境で使い物になりません」とPierburg氏は言います。
この搬送ロボットはウェブインタフェースにより作動とプログラミングが簡単です。 製造現場を動き回るこのロボットは、動きながら現場の配置を学習し、それを内蔵のメモリーに書き込んで自走します。 インタフェースにより、異なる作業工程をプログラムすることも簡単です。 Smart Robotics社の設計エンジニアはLC3をロボットの制御システムに直接、極めて簡単に接続することができました。 ポテンショメーターとホールセンサーを介した位置フィードバックもオプションとしてつけることができます。
「電動昇降装置 LC3の品質には100%の信頼を置いています。 動作音も静かで、これもほとんどの機械で素晴らしい利点の1つとなります」と言うのは、Smart Robotics社の電動工学サポート部のManuel Kramer部長です。
搬送ロボットだけではありません。LC3は軽量ロボットシステムにも採用されています。 このロボットでは、動作中にアームを上昇させる必要がありました。
「このロボットでは、安定性が特に重要です。極めて正確な動きがこのロボットでは欠かせません」とHendrick Pierburg氏は言います。 LC3の開発中、LINAKが最も重視したのは安定性でした。ですから、LC3は手術台でもその他の高度医療機器でも安心して使用することができます。 電動昇降装置の動作中の最大曲げモーメントは1,400Nm –停止中の最大曲げモーメントは3,000Nm –で、同社が求める要件に沿うものでした。