現代のヨットは実に快適に過ごすことができます。フランスのBeneteau Groupに属するPrestigeブランドのボートは、特に高い快適性を誇ります。ボートでより心地よい時間を過ごせるようにするために重要な役割を果たすのが、LINAK®の電動シリンダーです。
様々な設備を電動で調節できるようにすることで、ヨットがより快適な場所になります。ハッチは手ではなく電動で開き、テーブルとソファは電動シリンダーシステムにより簡単に調節や移動が可能です。窓の開閉も電動です。
ボートメーカーPrestigeは、LINAK®電動シリンダーをモーターヨットのあちこちに使用しています。例えば、エンジンフラップは電動シリンダーの力で開きます。テンダーボートのガレージも一例です。ボートの持ち主はボタンを押すとガレージを開閉できます。フラップのサイズはボートのサイズによって変わります。ここには電動シリンダーLA36 2台が使用され、必要な推力を発揮して重いガレージドアでも問題なく開きます。
ドライバー内蔵型電動シリンダーが便利な機能を実現
Prestigeは、ドライバー内蔵型(IC Integrated ControllerTM)電動シリンダーを使用しています。ICTMことにより、同期運転を簡単に実現できます。IC電動シリンダーでは、より正確な制御と位置決めが可能です。電動シリンダーの設定と調整は簡単です。しかし、ドライバー内蔵は一つの特徴に過ぎません。もう一つ、同じくらい重要なものがあります。
「私たちがボートに設置する電動シリンダーは極めて頑丈で優れた耐久性を備える必要があります」と説明するのは、Prestigeブランドが属するBeneteau Groupのバイヤー、Kelvin Cathelot氏です。電動シリンダーは海水、太陽光、風、振動にさらされ、厳しい条件下でも完璧に性能を発揮できなければなりません。
「お客様の品質要件は非常に高いです。品質を犠牲にするわけにはいきません」とCathelot氏は説明します。
ステンレスで過酷な環境における耐久性を向上
Beneteau Groupのボートに使用されているアクチュエータは、厳しい環境に耐えられるようにステンレスを採用した特別仕様です。海水環境に対する耐久性を高めるため、LINAKはピストンロッドアイ、後部固定具およびステンレスインナーチューブ・アウターチューブのオプションを用意しています。これにより、電動シリンダーが海水を直接かぶったり、長年にわたって太陽光を浴びても優れた耐久性が維持されます。これはデッキハッチや甲板で特に重要です。AISI 304またはAISI 316品質の合金が使用されます。
海上ライフのための徹底的な試験
基本設備においても、LINAK電動シリンダーの頑丈さは格別です。頑丈なアルミダイカストハウジングの電動シリンダーLA36は、保護等級IP66(動的)、IP69K(静的)です。
LINAK®電動シリンダーは、デンマークのLINAK試験センターで性能試験が実施され、多数の試験に合格する必要があります。例えば、環境温度試験では電動シリンダーの周囲温度を100度からマイナス30度まで繰り返し変化させます。そのような温度変化を経験した後でも、電動シリンダーは完璧に性能を発揮することが求められます。LA36は、レジャーボートでの使用を規定した欧州EC指令94/25/ECをはじめとする多数の基準に準拠しています。
エンジンルームやテンダーガレージのフラップを開ける電動シリンダーに加えて、Beneteau GroupはLINAK®電動昇降装置も採用しています。これらはテーブルや作業台の高さ調節に使用されます。
「現代のヨットにとって、電動シリンダーがもたらす快適性は重要です」とKelvin Cathelot氏は説明します。
開発とイノベーションは続く
BUSシステムとの接続を可能にするICのおかげで、柔軟性の高い多数のオプションが登場しています。例えば、スマートフォンのアプリから様々な機能を制御できるようになりました。Cathelot氏によれば、ボート製造においても今後デジタル化が進むだろうということです。ドライバー内蔵というオプションがあるLINAKは、そのタスクにぴったりです。